私はプレミアムウォーターを契約するにあたり、プレミアムウォーターホールディングスってどんな会社なの?という部分まで調べつくしました。
結局プレミアムウォーターを契約するだけでなく株も少しばかり購入しています。
どのようなビジネスモデルで収益を上げているのかまで解説していますので、
ウォーターサーバーを検討している方だけでなく、株の購入を検討している個人投資家の方も参考になる記事になっていると思いますよ。
この記事の概要
プレミアムウォーターホールディングス【2588】の歴史
プレミアムウォーターホールディングスは株式会社ウォーターダイレクト(東証二部上場)とプレミアムウォーター株式会社が合併して誕生しました。
天然水の品質に強みを持つウォーターダイレクト(CLYTIAブランド モンドセレクション金賞)と営業力に強みを持っていたプレミアムウォーターのシナジー効果を狙った経営統合ですね。
2013年にマザーズ上場、2014年に東証二部に上場しています。
2015年にはTOB(株式公開買付)を行い光通信【9435】の子会社になっています。
※株式の約70%を光通信が保有
2017年にはico(仮想通貨による資金調達)を検討するなど攻めの姿勢を貫いています。
※結局icoは断念したようですが当時かなり話題になりました
プレミアムウォーターホールディングスの萩尾洋平社長
2017年9月と少し古いですがYouTubeに萩尾社長が個人投資家向けセミナーに登壇していた動画が残っています。
内容をまとめると
ポイント
・宅配水市場はまだまだ伸びる(普及率6%程度)
・PWは営業が強いからこそ設備投資を繰り返しサービス改善を繰り返せる
・毎月配送するので安定した売上を確保できるビジネスモデル
・契約数を毎月開示しているので順調かどうか誰でもわかる
といった内容です。
基本的には安定したビジネスモデルですが、解約が増えるとじわじわと業績が悪化していく構造です。
そのため、順調に経営が推移しているのかを投資家が判断するためにIRで契約数を月次で公開しているようです。
プレミアムウォーターホールディングスの強み
引用-PWHD 公式サイト
製造から販売まですべて自社生産
他社が製造したものを購入し、利益をのせて販売している代理店も多い業界ですが、プレミアムウォーターホールディングスでは製造から販売まですべて自社で行っています。
自社で水を汲み上げ、自社で製造したペットボトルに水を入れ、自社の営業(代理店の営業もいます)が顧客を獲得し水を届けています。
このようにすべて自社で行うことで他社に支払うマージンが少なく済みますし、顧客数が業界ナンバー1なので他社よりも特に製造面でスケールメリットがあり原価を低減させています。
製造にコストがかかる天然水を使用しているにも関わらず、コストが比較的かからないRO水を使用しているアクアクララやクリクラと同程度の料金で提供できているのにはそういった背景があります。
ウォーターサーバー用のペットボトルを他社にOEM供給している
引用-クリティア公式サイト
(PWHD合併前のブランド)
プレミアムウォーターはペットボトルのもとになるプリフォームを自社用に製造するだけでなく、他社への販売(OEM)も行っています。
ワンウェイ方式のペットボトルを宅配水市場に供給しており、業界的にもなくてはならない企業になりつつあります。
宅配水市場の中でも特に伸びているワンウェイ方式を採用
出所:一般社団法人 日本宅配水&サーバー協会
BIB:バッグインボックス
宅配水業界(ウォーターサーバー業界)の市場規模は年々拡大しています。
その中でも特に顧客数を伸ばしているのがワンウェイ方式のウォーターサーバーです。
ワンウェイ方式はリターナブル方式と違い、配達されるボトルを返却する必要がありません。
飲み終わったら潰して捨てられるペットボトルなので後処理も楽々です。
リターナブル方式は回収して何度も使いまわすガロンボトルになります。
プレミアムウォーターやコスモウォーターがワンウェイ方式です。
プレミアムウォーターやコスモウォーターなどのワンウェイ方式を採用している企業が、市場のニーズをしっかり掴み拡大している傾向にありますね。
水源が複数あるのでRO水に近いレベルで災害時に強く安定供給できる
RO水は水道水にRO膜でフィルタをかけて不純物を取り除き、そこに人工的にミネラルを追加したものです。
もとが水道水なので、全国どこでもRO水を作ることができるため、災害時にも安定的に供給できるのが強みです。
それに対して、天然水は水源がある地域で災害が起きたら顧客に水を供給することができません。
基本的にRO水と比べて天然水のウォーターサーバーは災害に弱いです。
ただ、プレミアムウォーターは水源を「富士吉田」「北アルプス」「朝来」「金城」「南阿蘇」に持っています。
日本全国にあるので、どこかで震災があったとしても別の水源から水を届けられます。
いろいろな天然水の味を楽しめるというメリットだけでなく、BCP(事業継続計画)の観点から考えても非常に合理的な経営をしているようです。
プレミアムウォーターホールディングスの業績見通し
2019年3月期のプレミアムウォーターホールディングスの財務状況
数値はPWHD IRより引用
プレミアムウォーターホールディングスの財務状況を売上高と経常利益から見ていきます。
売上高は2015年3月から順調に拡大し、2019年3月期では370憶円と増収を続けています。
しかし、経常利益は2019年3月期に2.6億円計上していますが、2017年3月期は▲7億円、2018年3月期は▲15億円もの赤字です。
一見すると赤字が続いているヤバそうな企業ですよね。
ただ、私はプレミアムウォーターホールディングスは2020年以降はどんどん利益を出しながら拡大していく企業ではないかと考えています。
(調べた後に株も少し買いました)
宅配水(ウォーターサーバー)事業はストックビジネス
宅配水・ウォーサーバー事業の特徴は先行投資型のストックビジネスということです。
ストックビジネスとは、顧客を獲得すると毎月売上が立つビジネスモデルのことです。
対義語は1回で取引が完結するフロービジネスですね。
顧客と契約するまでにショッピングモールなどに出店するブース代や営業マンの人件費やウォーターサーバー本体の製造費・購入代を先行投資しています。
その後、毎月配送する水の売上で先行投資した分を回収して利益をだしていくビジネスモデルです。
そのため、顧客と契約すればするほど費用がかかるので短期的にみると赤字が発生します。
もちろん長期的に考えれば利益はしっかり出せる仕組みです。
しかし、1年単位で考えるとどうしても赤字が先行する時期もあります。
プレミアムウォーターは3年契約を推しているようなので、契約してから2年目くらいで利益がでるような内容になっているのではないでしょうか。
上記の画像の通りプレミアムウォーターは顧客数をどんどん増やしており、2019年3月期で81万顧客までのばしています。
これは宅配水業界でトップの顧客数です。
これほどまでに顧客数を伸ばしている(毎月1万~2万顧客)ので先行投資の金額はどんどん増えます。
そのため、先行投資がふくらみ赤字決算になる年も出てきます。
ただ、長期的な視点で考えると、これだけ顧客数を伸ばせたということは2~3年後の決算時にはそれだけの利益がついてきます。
2016年~2018年3月期は急激な顧客数の増加により、先行投資した費用がかさみ赤字となっていましたが、
2019年3月期には、先行投資よりも以前に契約した顧客から回収している利益が上回り黒字になっています。
業界に大きな動きがない限り、このままいけばプレミアムウォーターホールディングスはほぼ確実に増収増益していくのではないでしょうか。
損益分岐点を超えこのまま東証一部へ昇格もあるのか?
東証一部への昇格ですが今後大いに期待できるでしょう。
東証二部から東証一部に昇格する要件の中に、
次のa又はbのいずれかに適合すること
a.最近2年間の利益の額の総額が5億円以上であること
b.時価総額が500億円以上(最近1 年間における売上高が100 億円未満である場合を除く)
というものがあります。
プレミアムウォーターホールディングスはこれまで「a.最近2年間の利益の額の総額が5億円以上であること」を満たすことができませんでした。
経常利益が2017年3月期は▲7億円、2018年3月期は▲15億円の赤字という状況でしたからね。
しかし、2020年3月期の決算もIRで発表している黒字を計上すればこの要件は達成します。
もし昇格が決まれば株価も大きく上昇するかもしれませんね。
プレミアムウォーターホールディングスのまとめ
経営統合してから業績を伸ばし続けているプレミアムウォーターホールディングス。
水の販売という「怪しい」と考える人も一定数いる業界だからこそ、認知度はまだまだ低く、ウォーターサーバーが普及した際には株価も爆発的に上がる可能性を秘めている企業です。
プレミアムウォーターを使ってみると、実際に使い勝手も味も良く、企業としての将来性だけでなく素直に応援してみようかなと思わせてくれる品質です。
個人投資家の方も、株を購入するか判断する前に1度ウォーターサーバーを使ってみることをオススメしますよ。